サンタ・テレサ学院(Colegio de las Terresiannas 建設期間:1888年~1890年)
サンタ・テレサ学院は、聖テレジア派修道会創設者、セルベリョ司祭によりガウディが制作した建築物です。
ガウディは、主にグエルなどの後援者が出資した私邸建築により知名度を上げてきましたが、この学院は教会に属する建築物ということで、限られた予算の中で仕上げなければなりませんでした。
そのため豪華な造りではなく、赤レンガを主な建築資材とした比較的質素な外観に仕上がっています。
この建物は、前任の建築家が2階部分まで完成させていましたが、途中でガウディに交代しました。
完成していた建物はネオ・ゴシック様式で造られていましたが、ガウディは全体像を変え、ムデハル様式を採用しました。
低予算であるために装飾性も乏しくなりましたが、それでも随所にガウディらしい発想が見られます。
例えば、取っ手として取り付けられた「T」の文字。
これは、サンタ・テレサのイニシャルから取ったデザインです。
小尖塔の塔頂部には4本枝の十字架が配置されていますが、これは後にガウディが多様するデザインになります。
中は地上4階で、天井の高い廊下が3本あります。
この廊下には、ガウディの特徴ともいえるアーチ型が採用されており、そこに付属する扉もアーチ型に造られています。
レンガ造りのらせん状の柱もまた、ガウディの個性を感じさせる部分でしょう。
サンタ・テレサ学院は、現在でも学校として使われています。
インフォメーション
■サンタ・テレサ学院(Colegio de las Teresianas)
住所:Ganduxer 85, Barcelona, 08022
最寄駅:FGC「ラ・ボナノバ(La Bonanova)」徒歩5分
※中の見学不可