突然の死
1926年6月7日、晩年は敬虔なカトリック教徒として過ごしていたガウディは、この日いつものように夕方のミサに出かけました。
そして、そのまま帰らぬ人となりました。
彼は30年来通うミサの道中、電車に跳ねられたのです。
彼の体は地面にたたきつけられました。
しかし、道ゆく人は、あまりに貧相な格好をしたその老人が、偉大な建築家、アントニ・ガウディであることに気付きません。
誰もがホームレスが跳ねられたのだと思い、病院への搬送が遅れました。
搬送先の病院でも、誰も彼がガウディであることに気付かず、夜中に彼が帰らないことに心配した知人の神父がようやく探し当てたのです。
病院が、彼がガウディであることに気付くと、懸命の救急措置が取られ、何度か意識を取り戻しました。
しかし、事故から3日後の6月10日、彼は力尽き、永眠します。
その寝顔は、非常に穏やかであったといわれています。
生前、派手な葬儀をしないでほしいと周りに漏らしていたガウディですが、彼の死を悲しむ人はあまりに多すぎました。
亡くなった病院を取り囲むように人だかりができ、バルセロナ市民はみな悲しみに打ちひしがれました。
そして、ローマ法王庁の許可のもと、サグラダ・ファミリア内に眠ることになりました。
現在も彼は自分が生涯を捧げた聖堂で眠っています。
そして彼の死後も、彼の築いたもの全てが世界中の人々を魅了し続けています。