ロレンソ・マタマラ(Llorenc Matamala i Pinol, 1856年~1925年)
ガウディが最も信頼し、晩年の15年余りガウディと共に生活したロレンソ・マタマラ。
彼は、ガウディの親友というだけでなく、優れた鋳物職人・彫刻家でもあり、しばしばガウディの仕事に携わりました。
彼らの出会いは、ガウディが学生時代の頃です。
ガウディは、バイトの関連で出入りしていたとある工房でロレンソと知り合い意気投合しました。
そして、年が1つしか違わないということもあり、その後、長きにわたる友情を育むことになったのです。
家族以外で、ガウディの姿を最も身近で眺め続けていた人物といえるでしょう。
ガウディの一番最初の作品「レアール広場の街灯」は、ガウディの案を元に、彼が作成しました。
ガウディがサグラダ・ファミリアの主任建築家に就任した時には、ガウディに頼まれて彫刻を担当し、また現場をまとめる役割を果たしました。
ロレンソはガウディの工房の一員であったわけでも、彼の弟子であったわけでもありません。
しかし、カサ・ビセンスやグエル邸をはじめとしたガウディの主要な作品で、ロレンソは常にガウディに協力してきました。
晩年、父親と姪を相次いで失い、孤独の身になったガウディを心配し、グエル公園内にある彼の邸宅に移り住みました。
ガウディの死から1年後、ロレンソは癌によりこの世を去ります。
彼の息子、ホアン・マタマラも父の跡を継いで彫刻家になり、サグラダ・ファミリアで重要な役割を担ったといわれています。