エウゼビ・グエル(Eusebi Guell, 1846年12月15日~1918年7月8日)
エウゼビ・グエル。
彼がいなかったら、ガウディの建築家人生はなかったかもしれません。
それくらい、ガウディの作品に対して惜しみなく投資を続け、彼の作品を大きな影響を与えてきました。
エウゼビ・グエルは、父の代一代で成功した実業家の家庭で生まれ育ち、大変裕福でした。
父親には厳格に育てられ、彼は大富豪にありがちな豪遊を楽しむのではなく、勉学に勤しみます。
フランス、イギリスなどで学問を修めてカタルーニャに帰国してから、父の跡を継いで、自らも凄腕の実業家になります。
そんな彼がガウディを知ったのは、彼がパリの国際博覧会でショーケースを展示しているのを見た時です。
そのショーケースに釘付けになったグエルは、ひと目でガウディの才能を見抜き、彼との交流を始めます。
最初はサロンで互いの芸術論をぶつけ合う仲間として交流を続け、やがてグエルはガウディに多くの建築物の設計依頼をするようになります。
当時のガウディは、バルセロナ建築業界の中心から遠く離れ、独自の道を進み始めていました。
彼の建築哲学があまりに標準からずれていて、人々はガウディの作品を理解できず、敬遠していました。
ですから、グエルこそが初めて彼の建築家としての力量を認めた人物で、その後ガウディを誰よりも有名な建築家に育て上げた、と言っても過言ではありません。
二人の交流は40年あまり続き、その間、実に多くの合同建築物を生み出しています。