グエル別邸(Finca Guell 建設期間:1884年~1887年)
「グエル別邸」は、エウゼビ・グエルが初めてガウディに依頼をした作品で、新築ではなく建物の増改築を行いました。
しかし、これによってガウディの個性満載の素晴らしい建物に生まれ変わったのです。
建物は厩舎と調教舎の棟と住居の棟の2棟で構成されており、二つの建物を門扉が繋いでいます。
この門扉のデザインは、ガウディが最もこだわった「ドラゴンの門」です。
全体をギリシャ神話に見立てた物語にしたガウディは、同じくギリシャ神話に登場する正義のドラゴンからヒントを得て、鉄製ドラゴンを製作しました。
このドラゴンは、かつては門を開くと動く仕掛けになっており、グエル別邸の中でも一番評判になった部分です。
門から入ると、更にガウディの世界が広がっています。
ガウディはグエルの邸宅を手掛けた時から力学上の問題を克服した放物線アーチの天井を採用していて、建物内で柔らかい空間を作り出しています。
外観を見ると、ムデハル様式を多少取り入れた感じもあるのですが、カタルーニャの伝統的な土壁の構築手法も取り入れ、様々な工法を用いて最高の空間を築き上げています。
塔頂部、煙突、換気タクトなどの各頂上は、その後のガウディの作品でもよく見られるカラフルなコーン形のユニークな造形が採用されています。
現在この建物は、カタルーニャ工科大学のガウディ講座支部になっていますが、見学が可能です。
インフォメーション
■フィンカ・グエル(Finca Guell)
住所:Av. de Pedralbes 7, Barcelona
電話番号:933 177 652
最寄駅:地下鉄3号線「マリア・クリスティーナ(Maria Christina)」徒歩10分
入場料:6ユーロ