モデルニスモ
ガウディは、「モデルニスモ」の巨匠のひとりであると言われています。
モデルニスモとは、フランスで起こった「アールヌーヴォー」という新芸術に類似したカタルーニャ独自の新しい芸術様式です。
このブームが到来したのは19世紀終わりの頃で、20世紀初頭までカタルーニャはモデルニスモの全盛期として栄えます。
主な特徴として、「より曲線的」で「より華やか」であることが挙げられますが、ガウディの作品を見ると、いかに曲線と装飾性が大切にされているかがわかります。
モデルニスモは、アールヌーヴォーとアフリカのムデハル様式がカタルーニャで結びつき、独自の発展を遂げました。
そのため、この様式はカタルーニャのみで見られ、アールヌーヴォーのように広い範囲で見られるものではありません。
カタルーニャ人がカタルーニャ主義のもと、オリジナリティを追求した結果、誕生した芸術様式なのです。
そこには、単に新しい芸術を模索したアールヌーヴォーとは違い、思想的なものが多く盛り込まれています。
ガウディは、カタルーニャ人としての誇りを胸にいつも仕事をしてきました。
ですから、モデルニスモのムーヴメントにもいち早く反応し、自ら作品に取り入れていったことは容易に想像ができます。
ガウディの作品全体にモデルニスモの様式がみられますが、それは彼のカタルーニャに対する愛がどれだけ深いかを示していると思います。