カタルーニャ主義
ガウディは、カタルーニャ地方タラゴナ県に生まれ、カタルーニャ最大の都市・バルセロナで建築家として活躍しました。
亡くなったのもバルセロナです。
このように、ガウディの人生の舞台は常にカタルーニャであり、彼は心からカタルーニャの地を愛していました。
ガウディが生まれた当時から、カタルーニャでは地元愛に根ざした政治・文化活動「カタルーニャ主義」が盛んに主張されていました。
カタルーニャそのものがカタルーニャ人の誇りであり、その優位性をもっと高めていこう、というものです。
この主張にガウディは共感し、ほかの土地にはない独自の「カタルーニャ建築」を創造しました。
彼は「中世カタルーニャ建築探訪の会」「カタルーニャ主義探訪協会」などに所属し、積極的に活動していました。
彼の作品はきわめて個性的なものばかりですが、それは彼がカタルーニャを愛し、カタルーニャの独自性を追求した末に創り上げたものなのです。
確かに彼は、建築学校で一通りの基礎を学び、自らムデハル様式やギリシャ建築を積極的に勉強しましたが、それは様々な様式をカタルーニャ芸術に応用するヒントにしたかったというのが最大の理由でしょう。
彼は決してほかの様式には縛られず、あくまでカタルーニャオリジナルのものを生み出そうとしていたのです。
彼は生涯カタルーニャを愛し、頑固なまでにカタルーニャ主義にこだわり続けました。