ゲーテ(Johan Wolfgang von Goethe, 1749年8月28日~1832年3月22日)

ゲーテの像

ガウディは学生時代に家族を次々に亡くしました。

その時に、人の命を奪う神に対して激しい怒りを感じ、「死」というものに対して深い考えを巡らせていました。

死とは一体何なのか?

その答えを求めてあらゆる本を読んでいた時に、彼はゲーテの本に惹きつけられていきました。

ゲーテは、言わずと知れたドイツの文豪で自然学者でもあります。

ガウディは「死」に対する答えを求めていながら、ゲーテの「自然論」に強く惹かれていきました。

彼は自身の建築哲学の基礎である「自然と建築の調和」という概念をゲーテから学んだのです。

その中で大きなポイントを2つ挙げると、1つは「自然に直線は存在しない」ということ、そしてもう1つは「自然に単色は存在しない」ということです。

確かに自然界において、植物や動物に至るまで、曲線も単色も存在しません。

ガウディは、ゲーテの自然論を学び、人の住む家、人の出入りする場所に自然との調和は最も大切な要素になると考えるようになりました。

ですから、放物線を描く天井にこだわり、色彩豊かな外装や内装にこだわったのです。

特に、グエル邸を建築する時には、初めてアーチ型天井を採用し、そこでグエルからの高評価を得て、確実な手ごたえを掴んだのだと思います。

ガウディの建築は、音が流れ、リズムを感じさせるものというだけでなく、自然を崇拝する心を感じさせる、人と自然界とが見事に調和する空間なのです。

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