地中海

地中海

地中海、それは、ガウディを絶えず魅了してきた母なる海です。

そしてガウディは、生涯この広い海を愛することを実感していました。

地中海への愛を最大限に表した傑作が、「カサ・ミラ」です。

地中海は、カタルーニャ主義と共に語られてきました。

そして、カタルーニャ人の心の中に、カタルーニャと地中海はセットで描き出されていたのです。

ガウディもまた、自分が地中海人であることを自負し、地中海から得た着想をもとに、その波の形や色彩を表していきました。

「地中海」とは、元々は「天地の中央」という意味を持つラテン語からきました。

そして、ガウディは「地中海は中庸にある。その沿岸の平均的な光は45度の角度を持ち、それによって物体をくっきりと照らし出し、その形状を明らかにする。(中略)南方民族はその過剰な光のため、理性をないがしろにし、怪物を生み出す。」
(エクスナレッジムック「GAUDi」より)

という言葉を残しています。

地中海の光をガウディ自身が沢山浴び、「怪物的建築」とも呼ぶべき強烈なインパクトを持つ建築物を次々に建設していったに違いありません。

ガウディの周りにいるカタルーニャ人の仲間も「地中海の子である我々には、中央にはない理性がある」と言い、マドリードの中央政府を批判し、ガウディもそれに賛同していました。

地中海のうねりは、彼の人生哲学、建築哲学双方において欠かせない要素だったのです。

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