幼少期
アントニ・ガウディ・イ・コルネット(ガウディ)は、1852年6月25日、カタルーニャ地方南部の町で生まれました。
金物職人の父、そして父の工場で手伝いをし、同じく職人として仕事をしていた母の元に末っ子として生まれました。
アントニには8つ上の姉と1つ上の兄がいて、そのほかに兄と姉が一人ずついましたが、二人は成長することなく亡くなりました。
アントニは5人家族で、特別お金持ちではありませんでしたが、質素で幸せな家庭の中で育ちました。
幼い頃は病弱で、リューマチの持病に苦しめられていました。
二人の子供を失っている母にとって、3人の子供たちは何にも代えがたい大切な存在です。
そして、特に病弱なアントニのことをとても甘やかしました。
いつも母にべったりなアントニは、少々甘えん坊だったそうです。
アントニは、初等教育までは虚弱体質が改善されず、発作のたびに環境のいいリウドムスに静養に出かけていました。
そして、病気は苦しいものでしたが、彼はリウドムスへの道中をそれなりに楽しんでいました。
アントニは、父からも沢山の愛を受けて育ちました。
兄・フランシスコは父の工場には滅多に顔を出さなかったのに対し、アントニは父の仕事にいつも興味深々で、そんなアントニのことを父は温かい眼差しで見守っていました。
この工場での様々な経験が、後に彼を建築家の夢へと駆り立てていきます。